はまはらのフィギュアスケート感想記

フィギュアスケート観戦が趣味です。大好きな選手のこと、観戦の感想などを書いていきます。特に好きなスケーター☆宮原知子さん/町田樹さん/ネイサン・チェン選手/鈴木明子さん/エリザベータ・トゥクタミシェワ選手…他多数

それぞれが見つめるもの(NHK杯の感想)

こんにちは。はまはらです。

アメリカ大会やロシア大会をすっ飛ばしてのNHK杯の感想になりますが、久しぶりにじっくり試合を見ることができたので気持ちが盛り上がってるうちに書いときます!
さて今シーズンは何もかもが異例ということで、出場選手もユ・ヨンを除く全員がフロムジャパーンのNHK杯
どちらかと言うとグランプリシリーズよりもプチ全日本って感じでしたね。ジュニアの選手も入り交じってのガチンコ勝負! でも扱いとしては点数非公認ながら世界大会の一部ですからね。
結構熱いなーなんて思いながら見ていました。

アイスダンスは3組。
組んで2年目の深瀬理香子・張睿中の「りかえい」、5年目の小松原美里・コレト ティム(小松原尊)「チームココ(koko)」、そしてデビュー戦となる村元哉中高橋大輔「かなだい」。
正直、期待した以上の注目度の高さでしたね。
アイスダンスが生放送で見られたというのは、これから世間の人たちにこの種目を認識してもらううえで良かったんじゃないかな。
私もこれを機にもっと勉強したいと思います。

3位だったかなだいの2人。良い意味で胡散臭いアイスダンスの男の風貌を身につけつつある高橋くんが新鮮でしたし、かなちゃんの華やかさと頼もしさが光っていましたね。
プログラムはふたつとも面白いものを用意してきたと思います。
特にFDは2人の雰囲気にも合っていたし衣装も素敵でした。後半はミスが目立ちましたが、前半のワンフットのステップは見応えがありましたし、抑えぎみではあるもののやっぱり2人ともスケーティング上手いなあと実感しましたね!
お客さんたちの前で良いスタートが切れたんじゃないかなと思います。
ペアもアイスダンスも、カップル競技はとにかく長い目で見守ることが大事だと思うので! 焦らずのんびり応援していきましょ。

2位のりかえいも、まだまだ発展途上のカップル。
でも睿中くんの姿勢の良さや理香子ちゃんのキラキラした笑顔がすごく魅力的で、色んな表現を見てみたいと思わされました。赤のドレスも美しくてよく似合っていましたね!

1位のkokoはメラメラしてるのがめちゃくちゃ伝わってきて嬉しかったです。これまでにない注目度の高さの中で、絶対にトップに立つんだという意地とプライドを感じました。
ライバルが増えるって本当に良いことだなあと思います。だからこそ、今回のkokoの演技は際立っていたし、安心して見ることができました。
見目麗しい2人が、信頼し合いながら滑る姿はとっても美しくてひたすら眼福! 夢の中にいるみたいな良い演技でした。
そうそう、衣装も凄く素敵で淡い感じの色味がすごくプログラムに合っていました。
アイスダンスはみんな衣装が凝ってて楽しいですね。ジャンプがない分、重さとかスカートの長さをそこまでシビアに考えなくていいんでしょうね。自由度が高くて、見てるだけで幸せな気持ちになりました。

また、FDが始まる前にはクリスの追悼特集がありました。
長年にわたって、クリスやキャシーが日本アイスダンス界にいてくれたからこそ、今があるんですよね。
キャシーからのメッセージも、これから先の日本のアイスダンスに対する2人の想いが伝わってきて胸を打たれました。
きっと彼らの願いを受け継いだ選手たちがこの先競技を盛り上げてくれるはずだと信じています。
クリスはきっと、見守ってくれていますよね!

女子はジュニアからの出場とは思えないくらい、松生理乃ちゃんが爪痕を残しましたね!
可憐な姿そのままのふわふわジャンプと、美しい所作に魅了されました。
指先まで神経が行き渡っていて、表現に対する意識の高さが素晴らしかったです。
苦手なエレメンツないんじゃないかってくらいオールマイティな感じ。これでこの先かっこいいプログラムなんか滑るようになったら、もうたまんないよなあ。
でもクラシックの曲もたくさん滑ってほしい……うーんジレンマ。
成長がとっても楽しみな選手だと思います。リアルタイムで見られて良かったー!

それから舞依ちゃん!グランプリシリーズにおかえりなさい!(号泣)
SP、FPともに大きなミスなく滑りきりましたね。幸せそうに、楽しそうに氷の上で笑顔を見せる舞依ちゃんを見ていたら涙がどんどん溢れてきました。
ここまで戻ってくるのに、どれだけ大変なことがあったか……私の想像なんて及ぶものではありません。きっと考えるよりもずっとつらくて苦しかったと思います。
それでも、細い体で今自分にできる最大のパフォーマンスを見せてくれた舞依ちゃんには、もう感謝の気持ちでいっぱいになりながらテレビの前で拍手を送りました。
フリーでミスしないの、相変わらずすぎて愛おしい……。LOVE……。

新葉ちゃんはSP、FPともに3Aに挑み、遂に今回フリーでほぼクリーンに跳んでみせてくれましたね!
qマークはつきましたが、きっとこれからもっと精度が上がっていくので無問題!
決まったときは思わず「うおー!!」って声出ましたよ。(お茶の間アリーナなのでセーフ)
しかし、ビッグジャンプが決まっても全部まとめるのはなかなか難しいものなんですね。2抜けは痛かった……。特にサルコウは鬼門ですね。
大技を意味のあるものにするためにも、全日本は新葉ちゃんのパーフェクト演技に期待したいです!
そういえば今回気づいたんですが、新葉ちゃんのSP大好き。
ああいうパワフルでエネルギッシュな女性ボーカルのプログラムを演じさせたら、新葉ちゃんの右に出る者はいないって感じだなあ。
アシュリーとかベルたそみたいなアメリカ女子に近い力強い滑りが魅力的。
正確で情熱的なステップを踏む足元の技術と、パッションを余すことなく伝える上半身のムーブメントが最高で最強!
タメと解放のバランスも神だし、めちゃくちゃ新葉ちゃんに似合ってるプログラムだと思います。
去年よりもなぜか今回の方がずっと素敵に見えたなあ。
頭の中で曲がずっと流れてるし名演だったから何回もおかわりしちゃう!

女子の優勝は花織ちゃん。
SPもFPもノーミスの完全優勝。お見事でした!
特にフリーのマトリックスは、正直最初の表情を見た瞬間から鳥肌がヤバかったです。
緊張感をプラスの方向へもっていったのがわかりました。凄まじい集中力でしたね。まったくミスする気配がなかった充実の演技でした。
今見直してみて気づいたんですけどほぼすべてのエレメンツが音にハマっているんですねコレ。
おっそろしい完成度ですよ……。トランジションやコレオでの表現もすごく自然になっていて、花織ちゃんが演じるマトリックスの世界に惹き込まれました。
もう、ひと言にまとめるならかっけええええ!です!(IQ2)
サンキューカオリ! ベストパフォーマンス!

男子は多くの選手が悔しさを味わったことと思います。
特に今大会、並々ならぬ気合いで臨んでいたと思われるのが友野くん。
練習では調子の良さが窺えましたし、気力も十分という感じでした。
それでも、どんなに調子が良くても本番に決められるとは限らないところがフィギュアスケートの怖いとこですよね。
綺麗に決まった4Sも、演技をまとめてこそ……。スケーティングもステップもすごく進化しているのがわかったからこそ、見ている方ももどかしく、悔しい気持ちでした。
でも友野くんのインタビュー、とても立派だと思いましたよ。現状を真正面から真摯に受け止め、台頭してきた若い選手へのリスペクトを示し、向上心をもって更なる成長を誓う姿は、彼こそ尊敬に値する選手だなと感じました。
これからも応援していきたいです。

優勝は鍵山くん。SPでは3Aが抜けて悔しい思いをしましたが、FPはほとんど大きな失敗のない演技でしたね。
鍵山くんのジャンプは決まると見てて気持ち良いですよね。超ノンストレス。膝めっちゃ柔らかいし、グーンって伸びてくし。
スケーティングもスルスルーっと摩擦を感じさせない上品な滑り。音に合った緩急のつけ方のテクニックも凄いです!
最終滑走に相応しい、素晴らしい滑りでした。
しかしプログラムは正直難しい!SPもFPも、盛り上がりどころに迷いそうで、曲の助けはあまり期待できません。
鍵山くんの表現をもってしても、パーフェクトに滑らなければねじ伏せられないような気がします。
シニア1年目にしちゃキツすぎやしないかいローリー先生……。
でも逆に言えば、この2つのプログラムを完璧にこなし切ったとき、鍵山くんはさらにレベルアップするのかも……。
今見てるだけでも穴のない選手なのに、どうなっちゃうんでしょうね。楽しみ!
インタビューは初々しくてスーパー可愛かったです。ニコニコしながら見ちゃった。
コーチであるお父さんのアドバイスもメンタルの助けになったみたいですね。
一位で折り返しても鍵山くんは「挑戦者」。浮き足立ちそうになる心をハッと引き戻す、経験者ならではの冷静な言葉です。

これは男子にも女子にも言えることだと思うんだけれど、4回転ジャンプや3A、世界の強豪は軽々決めるからつい忘れがちだけど足に負担もかかるし、怪我や失敗のリスクのある大技なんですよね。
勝つために挑戦していく姿勢は素晴らしいと思います。
でも同じくらい、それ以外のジャンプやエレメンツのクオリティを高い状態でまとめあげることも大事。
それは毎回痛感することですが、戦い方は人それぞれなので、見据える目標や個性に合ったやり方で滑ることができるといいですよね。
特に今はこういう状況なので、どうか焦らずに一歩ずつ進んでほしいなと、一ファンながら願わずにはいられません。
怪我や不調を抱える人も多かったと思いますが、今回悔しい思いをした選手たちが、みんな全日本で笑顔で演技を終えられますように。
そしていつか、お客さんが拍手だけではなくまた以前のように、素晴らしい演技をした選手たちに気持ち良く歓声を上げて称えることができるようになるといいな。