はまはらのフィギュアスケート感想記

フィギュアスケート観戦が趣味です。大好きな選手のこと、観戦の感想などを書いていきます。特に好きなスケーター☆宮原知子さん/町田樹さん/ネイサン・チェン選手/鈴木明子さん/エリザベータ・トゥクタミシェワ選手…他多数

Still Standing(SOI2022の感想)

こんにちは。はまはらです。

スターズオンアイス(以下SOI)2022ジャパンツアーの東京公演、初日と最終日の2回行ってきましたー!
イェイイェイイェイ!!
本当に素晴らしいショーだったのでこの幸せをなんとかして記録しておきたい!って気持ちだけで感想を書きます。

と、その前に少し知子ちゃんのお話をさせてください。
3月26日に知子ちゃんの方から正式に競技引退の発表があり、4月1日には引退会見がありました。
なんとなく予感はしていたけれど、でも心のどっかで願望は残っていた状態だったから……そっか、そうだよね……と納得しながらもすごく複雑な気持ちで受け止めていました。
寂しさはどうあったってごまかせなかったなあ。
やっぱりシニアデビューの年、NHK杯での戦場のメリークリスマスで知子ちゃんに魅了されてからずっと応援してきて、どんどん魅力的なスケーターになっていくのを見てきて……もう競技の場面で見ることは出来ないんだなって思うと素直に寂しかったです。
でも! その思いと同時に、すでに次の道に向かって歩き出している知子ちゃんを思うとワクワクする気持ちがありました。
やりたいことがたくさんある知子ちゃんにとって、ショーに出てプロスケーターとして滑ることは叶えたい夢のひとつ。
SOIカナダツアーのメンバーとして全ての日程に参加するのは日本人初だそうですね。大変な偉業だと思うし、それだけ知子ちゃんのこれまでの道のりが認められ、存在を求められてるってことだから本当に凄いと思います。
悔いがないくらいやりきったという気持ちがあって、清々しく次のステップへ向かうことができている知子ちゃん。
彼女の第2のステージが氷上であることが本当に嬉しいし、その瞬間を見つめられることがとても幸せです。
だから……なんというか、寂しいけれどファンとして知子ちゃんのこれからを心から応援する気持ちと未来が楽しみな気持ちが強くて、思ったよりもポジティブな感情を持っていられました。

そんな知子ちゃんと五輪で金メダリストとなったネイサンを始め、世界選手権金メダルの昌磨くんや銀メダルの鍵山くん、銅メダルのヴィンスなどメダリストや五輪代表を含めた豪華すぎるメンバーが揃ったSOI2022。
正直、東京公演にネイサンが出演するって決まった時点で絶対行こうと思っていました!
ネイサンを最後に生で見たのは2019年のJOとCaOI。約2年半ぶりになります。
大好きな知子ちゃんとネイサンを同時に見られるショーなんて行くしかないでしょ!?
ってことで、行ってきました東京代々木体育館!
前置きが長くなりましたが感想を書いていきますね。

まず初っ端の群舞「The Weeknd Medley」が最高なんすわ。
見ました!?知子ちゃんとネイサンの絡み!!
推しが推しを押してる~~~好き~~~!
初日は知子ちゃんもネイサンも近くで見られてめちゃくちゃありがて~~ってなりつつ、なんで私の目は2つしかないの??ってずっと思ってたし早く眼球に録画機能が搭載されてくんないかなーって思ってました。
まあ、書いてる今はこんなテンションですが、実際は知子ちゃんが出てきた瞬間一気に涙が滲んできたんですよね。
理由を説明するのは難しいんだけど、大きな決断をして新たなスタートを切った知子ちゃんの姿を見たら感情が込み上げてきちゃいました。
最終日は西側の後ろの方の席で、選手たちの背中を見てることが比較的多かったです。
正直知子ちゃんの世界一かっこいい背中が大好きな自分にとってはご褒美でしかなかったですけどね!!
あんな素敵な背中超憧れちゃう!
1ミリでも近づくためにジム通って筋トレがんばります。
「Take My Breath」かっこいいなー。曲も好き。
イントロでネイサンたちがリンクに出てくるところめっちゃワクワクする!
衣装もオシャレな感じで男子はちょっと透け感のあるやつ。やっぱネイサンの背中も好き。
ちなみにこの時点で「高志郎くんの動きいいな……」ってなってました。

印象に残った選手の演技の話をしますね。
まず、刑事くん。
これを書いている途中で引退発表があって、心にぽっかり穴が空いたような寂しさを感じています。
でも、彼もまた知子ちゃん同様にプロとしてもっと輝ける未来が約束されているスケーター!
魅せる力はもちろんのこと、私は刑事くんのステップと身のこなしが本当に好きなので、この先見られるプログラムを楽しみにしながらプロデビューの日を待ちたいと思います!
(PIW横浜公演で町田くん振り付けの「ショパンの夜に」がデビュー作!期待しかない!!)
初日と最終日に滑ってくれたのは「Whiplash」。
このプロかっこいいんだよなあ。最終日はサスペンダー引っ張ってくれるとこ近くで見れて嬉しかったです。
初日はもう圧倒されました。なんかステージ上での存在感がすごくて。
なにげに運動量ヤバいと思うんですけど、曲はジャズだしほどよく力が抜けてる感じがお洒落で良いんですよね。
フリープログラムだから結構長いんですけど動きのバリエーションと表情が豊かで、見ている者を飽きさせない演技でした。ベテランの味ってやつですね!
徹頭徹尾カッコ良い田中刑事を見せてくれました。

“かなだい“こと哉中ちゃん&高橋くん組は、白い衣装での「ソーラン節」でした。
2人とも白も似合いますね!赤黒とはまた違った雰囲気が良い!
試合さながらの気迫が伝わってきて、会場も盛り上がりつつほどよい緊張感で2人の演技を見つめていました。
これはあくまでも個人的な考えですが、個性の強い哉中ちゃんと高橋くんはトリッキーな曲の方が面白いプログラムが出来上がるんじゃないかなーと思っています。
特にソーラン節はそれを強く感じていて、2人にしか滑ることのできないプログラムなんですよね。
観客に強く存在を印象づけられるし、それでいて滑りの良さも魅せられるカップルなので、他の組が滑らないような曲にどんどん挑戦してほしいなと願っています!

ホワベイは初日に大好きな「白鳥の湖」をやってくれて最高でした!
もうケイトリンが白鳥の衣装で出てきた瞬間「やったぜ!!!」ってなりましたからね。
JLB!JLB!羽ばたきがもう面白くてたまらないよ!
声が出せないのがつらかったなー。笑いをこらえるの大変なんだから!
ずーっとニヤつきながら見てたよ。みんなそうだよね??
ラストポーズのときのケイトリンの表情笑っちゃう。JLBは動き全部面白すぎんだよなあ。
本当に楽しかったー!生で見れて良かった!!

その後に出てくるのが友野くんだもんね。
もう順番の構成がうますぎでしょ!
Daft Punk」を初めて生で見たのはPIWだったけど、そのときよりもキレキレで動きがかっこよくなってました。ロボットダンスが随所に(お辞儀のところも含めて)散りばめられてて見てて楽しかったです。
友野くんの凄いところって前も話したかもしれないけど、いつどこの席で見ても目が合う感覚があるとこだと思います。
最終日、後ろの席にいたときでさえバチッと目が合った(ような気にさせられた)感じがして、観客と本当の意味でコネクトしてるスケーターだなあと。
それだけお客さんの存在を強く意識しながら滑っている……真のエンターティナーですよね。

チームココ、小松原美里ちゃん&尊くん組は初日の「SAYURI」に魅せられました。
深い紫色の衣装が美しい……。キリッとした美里ちゃんの眼力を生かすメイクもとっても素敵です。
夏木マリさんの語りは、私が慣れたのかショーだからなのか以前よりもスっと入ってきて演技への没入感に一役買っていました。神秘的でとても良かったです。
「​───これは女王の物語ではない」のところのリフト、美里ちゃんのムーブメントが気高さを感じてかっこよくて好きです。
照明も雰囲気に合っていたし全体的にショープログラムとしての完成度が凄く高いように感じた演技でした。
ココの名プロだと思うので、この先もSAYURIを長く滑り続けてほしいなと思っています。

梨花ちゃんは最終日の「ハレルヤ」が凄く良かったです。
SOIは、怪我で長期間戦線から離脱していた梨花ちゃんにとって再出発の舞台でもありました。
どんな思いを込めたのか……それはまだわからないけれど、曲を良く聞き丁寧に滑っている姿には胸を打つものがありました。
ジャンプも取り戻しつつあるように思えましたし、体の使い方や音の取り方はやっぱり巧みで梨花ちゃんらしさが感じられて嬉しかったです。
音楽がドラマチックな盛り上がりをみせるところの表現が素敵でしたね。
どうか来シーズン、元気に思い切り滑ることができますように。

第1部の最後を飾るのは群舞「カイト」。東京オリンピックを思い出しましたね。
この歌すっごく好きなので、歌詞を大切に滑る選手たちが見られて嬉しくなりました。
そんでやっぱり高志郎くんが凄い!!
なんだこの爽やかさとしなやかさ……。
身長とかスタイルの良さ以上に動きの美しさが琴線に触れました。
友野くんや舞依ちゃんや新葉ちゃんやココ、そしてチョクベイ。
錚々たるメンバーの中でも埋もれることなく、むしろチームカイトを引っ張っていくかのような高志郎くんの抜群の存在感に完全に射抜かれましたよ!!
上手いって言葉じゃ足りなすぎますね……。
カイトの群舞はメンバーが本当に曲に合ってて凄く良かったです。

知子ちゃんのトークショーは、色んなエピソードが聞けて面白かったですねー。
舞依ちゃんからはおそろいの服を買ったり靴下をもらったりという可愛すぎるお話が!!
超仲良しだよね!!もう!カワイイカカワイイ!!
新葉ちゃんは平昌五輪の選考会後に知子ちゃんからもらった印象的な言葉のお話。
以前雑誌で読んだ記憶もありましたが、新葉ちゃんにとってすごく大切な思い出で、ずっとその言葉を胸に抱きながらここまで頑張ってきたんだなあと思うとちょっとグッとくるものがありました。
最終日の高橋くんはさすか喋り慣れてる(?)感じでいい具合いにリラックスしたトークが聞けましたね。
知子ちゃんのプログラムを緻密で隙がないと言ってくれたのが嬉しかったです!
色紙に書いていたアイスダンスへの勧誘をここでもやってくれる高橋くんに笑ってしまいましたよ!
刑事くんとロミジュリをペアで演じたときも、とっても情感豊かで美しくも哀しい物語を魅せてくれましたし、たとえ競技じゃなくても知子ちゃんさえ良ければペアやアイスダンスに挑戦してみてほしいな~なんて思ってしまいますよね。

第2部の幕開けを彩るのは「What a Wonderful World」。
この歌がつくられたとき、その背景にはベトナム戦争があったそうです。
今の世も、「この世界は素晴らしい」と一途に信じることはできない出来事が起きていて、歌詞を読むと寂しくて少し虚しい。
でも素晴らしいと思える日がくるように、という祈りを込めて、あえて今この選曲をされたんじゃないかなと思っています。
青い世界にオレンジ色の日が射すなか、知子ちゃんが美しく舞っていました。一人リンクでスピンをする知子ちゃんは女神様みたいに綺麗でした。

りくりゅうは初日に「ハレルヤ」を滑ってくれました。
今シーズン何度も見た演技をついに生で、特に目の前でお姫様抱っこからのスロージャンプを見られたのには感激しました!
2人とも笑顔で、りくちゃんがとっても楽しそうに滑っていて見てる方も嬉しかったし本当に幸せをくれる演技でした。
決して広くはないリンクでしたが、そこを目一杯使ったのびのびとしたスケーティングも見られて、世界のトップと戦う2人の未来は本当に明るいことを強く感じましたね。

舞依ちゃんは初日と最終日が同じ演目の「Never Enough」。
歌声、歌詞、曲に合わせた5連続ジャンプや長いツイズル、そしてスパイラル……見どころたっぷりの美しいプログラムです。
舞依ちゃんはシニアに上がってから年を経るごとにどんどん表現に磨きがかかっているのを感じます。
特にこの演技は、音楽を尊重しながら滑っているのがわかりました。
もともとの持ち味である儚さや可憐さに加えて、曲に寄り添う舞依ちゃんの優しさが溢れた演技だったと思います。
とっても素敵でした!

そして登場! 高志郎くんの「チャップリンメドレー」にはもう完全に撃ち抜かれてしまいました。
いや、もともと好きなスケーターだし表現に定評あることはわかってたしチャップリンといえば高志郎くん、高志郎くんといえばチャップリンなのも知ってたんだけどさ!!
生で見る高志郎くんの演技は、なんかもううまく言葉にできないくらい凄くて……ただただ惹き込まれてしまいました。
まるで映画を1本見たかのような満足感。
曲が始まった瞬間の表情からもう心臓鷲掴み。
アームスの美しい動き、コミカルな仕草、パッと変わる表情……どれをとっても素晴らしくてとてつもなく魅力的でした。
あれだけ長い手足を一切持て余すことなく華麗に見せてるのが凄いよね……。
当時13歳だったかな? 2015年にチャップリンで滑っている映像を初めて見たときからなんて表現の上手いスケーターなんだろうって思ってたけど、何段階もステップアップして、このSOIで無二の輝きを放つスケーターになっていたことに心底驚き、感動しました。
とっても素敵な表現者であり、アーティストだと思います。
ぜひぜひ、色んなショーに出て長く滑ってほしいです!
はーー! 今回最高の発見は予想よりもずっとずっと素晴らしかった高志郎くんだわ!個人的MVPです!!

チョクベイは初日に「Daft Punk Medley」を見せてくれて感激でした。
これもまた2人にしか作り上げることのできない世界観……。
宇宙人との恋というミステリアスでありながらロマンチックな物語を紡いでいく2人に夢中になりました。
こういうコンセプトがしっかりしたプログラムを見ると、なんか色々と妄想を掻き立てられて楽しいです。
チョックさんのなんとも美しくて妖しい魅力が堪能できて最高でした。

そして初日は次に登場したのがヴィンス。
もうね、私は彼があの衣装を着てるのを見た瞬間に泣いてしまいましたよ。
涙が本当にずーっと止まらなかったんです。
絶対にこの目で見たいと思っていた大好きなプログラム「Vincent」。
画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホに捧げる歌で、モチーフは♪Starry, Starry Nightとあるように星月夜なんですよね。
ヴィンスの衣装も夜空に星を散りばめたようなものになっていてとても綺麗です。
原曲のドン・マクリーンによるものはギターの音色と語りかけるような声が印象的ですが、ヴィンスのプログラムではゴスペル歌手のジョシュ・グローバンによるカバーヴァージョンが使用されています。
包容力のある暖かい歌声がヴィンスの誠実なスケートとマッチしていて、柔らかくて優しさあふれる美しいプログラムに仕上がっています。
五輪では滑ることができず、失意の底にいたヴィンスですが、世界選手権で見事な演技を見せて銅メダルを獲得しました。
メダルが決まったとき、バックステージで見せた彼の激情が忘れられません。
SOIでこの演技と笑顔が見られて本当に良かったです。

新葉ちゃんは、初日に「Your Song」、最終日に「Bird Set Free」という女性ボーカル曲でも異なる色を持つプログラムを演じてくれました。
Bird Set Freeはもう、The 新葉ちゃんって感じでパワフルな女性ボーカルを味方につけてガンガン滑って感情をぶつけてくるみたいなエモーショナルなプログラム。
新葉ちゃんの滑りは歌声に負けない力があって、ボーカルの威力を何倍にもして訴えかけてくるところが魅力的だし、これだけ強さとエネルギーを感じるスケーティングができる選手って限られてるよなあと思います。
自由を求めて何度も空を見上げたり、羽ばたいていくような振り付けが良い!
Your Songはある意味その対局にあるようなプログラムだと個人的には思っていて、初めて見たときには繊細さとか優しさ、柔らかさあふれる演技に驚いたのを覚えています。
でも可憐なだけで終わるんじゃなく、ステップのシーンとか確かに激しい感情が存在していて、曲の中でそのコントラストが見えていたので物語を感じる構成が凄く良いなと思いました。
このプログラムを滑っているときの新葉ちゃんの表情に、誰かを想う愛おしさみたいなものが見えてとても好きです。

昌磨くんは初日に「オーボエ協奏曲」、最終日に「Great Spirit」をやってくれました!
初日は成熟したプログラムの凄みというものがバシバシ伝わってきました。
音楽に合わせているというよりも、支配しているかのような威厳に満ちたスケーティング。
滑りの圧が、昌磨くんのスケートに説得力をもたらし、より強くこちらに訴えかけているようでした。さすが五輪でメダルを獲ったプログラムです。
最終日に演じてくれたグレスピは会場全体が手拍子で大盛り上がり!
私も大好きなプログラムなので、久々に生で見られて嬉しかったですね!
ド派手なメイクヴァージョンも見たかったなー。
本来ならスピードガンガン上げていくプロだと思うんですが、リンクが狭かったので少しセーブ気味だったかな。
やっぱりグレスピは広いリンクで高速で踊り狂うのが至高! 次見られるときも楽しみにしています。
まったくタイプの違う2つのプログラムですが、オーボエもグレスピも昌磨くんのハマりプロ。
なんにでもなれるし、どんな曲も自分のものにできる。
この柔軟さこそが昌磨くんの武器なのかもしれませんね。

次に現れたのが知子ちゃんでした。
初日も最終日も、名前をコールされることなく始まった「Stabat Mater」。
気品のある白の衣装を身にまとい、天を仰ぐようにして滑り出します。
荘厳で神聖。磨き抜かれた美しいスケーティングと指先まで神経の行き届いた細やかな所作。
表情は優しく、慈愛のようなものを感じました。
はためく膝丈のスカートの動きすら美しい。
スポットライトの下でレイバックスピンをする姿が神々しくて、まるで知子ちゃん自身が光を放っているかのようでした。
最後は片膝をつき、両手を広げて再び天を見上げました。
祈りのような、奉納のような……静かで厳かな舞に見入り、演技の途中は拍手をするのもはばかれる気がしてほとんど動けませんでした。
ここ、代々木体育館は私が初めて知子ちゃんの演技を生で見た場所でした。
2015年の国別対抗戦。ミス・サイゴンをパーフェクトに演じてスタンディングオベーションをもらっていました。
あれから約7年。知子ちゃんはとてつもない努力を重ねて、同じ場所で「芸術作品」と呼ばれるに相応しい滑りを見せてくれました。
知子ちゃんを好きになって、本当に良かった。
素晴らしいスケーターと出会えたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
プロスケーター宮原知子の進む道をこれからも全力で応援したいと思います。

大トリはネイサン。
新プロの「Space Song」はテレビの映像で見たので先にそちらの感想を書きますね。
衣装は生肉のようだと言われているのを見てからそうとしか思えなくなってしまった赤とピンクの迷彩っぽいシャツ。
曲のタイトルを知ったときは「ネイサン宇宙好きね」と思ったけど、歌詞を見てみると多少哲学的な部分はあるものの、恋人との日々を振り返るような内容みたい。
とはいえ、無重力空間をフワフワと漂うようなイントロのメロディーと静かな歌声や時折入る電子音からは確かに宇宙っぽさを味わうことができます。
ネイサンのスケーティングも音楽に呼応するように柔らかでふんわりしていますね。
序盤は美しいアームスの動きと上体の使い方によって世界観に一気に惹き込まれていきます。
中盤には、宇宙人がピコピコと交信するような電子音に乗せてイーグル。ここでの音に合わせた腕の使い方、振り付けがすごく印象的で「あ、このプログラム好きだ」ってなりました。
あ、あとリンクで氷の粒を拾って両手でふわぁって撒くようなシーン!!!
あの笑顔!!!ヤダ!好き!!!
最後の振りも素敵だなー。フッと上げた片手をゆっくり下ろすところ。腕の動きと視線が連動してて見蕩れてしまう……美……。
そして私が行った初日と最終日。ネイサンが見せてくれたのは「ロケットマンメドレー」でした。
初日はもう衣装を見てテンション爆上がり!!!
キターーーーーって感じです。
もう一挙手一投足を見逃すまいと目ん玉かっぴらいて見てました。
真正面で大好きなロケットマンの、ステップで宙を指差すあの場面を見られてほんっとうに嬉しかったです!!しっかりと目に焼き付けました!
バックフリップのときはもう、みんな声出すの我慢してたけどあそこは無理でしたねー。そりゃワァー!って言っちゃいますよ!!
ほんとはもっとヒューヒューヒャーヒャーしたかったけどグッと飲み込んで我慢しました。
思いっきり声出したい気持ちを拍手に込めまくるしかなかったですね!
最終日ももちろん嬉しくて楽しかったんですけど、「ああ、もしかしたら生でネイサンのロケットマンを見られるのはこれが最後かもしれない。もう見られないかも」って思ったら、ステップのシーンで急に涙があふれてきてしまいました。
寂しくて、この時間が永遠に続けばいいのにって心から願っていました。
でもやっぱりネイサンがすごくいい表情で滑ってるの見てたらこっちも幸せで、最高のプログラムに出会えたこと、この演技を見られたこと、ネイサンのファンになれたこと、全部がつながってて……本当に感謝しかないなあと思いました。

フィナーレは「エルトン・ジョンメドレー」!
このときの私の心の中は「!!!!!!!!」って感じ。
リンクサイドに選手の名前とか曲名が出る電光掲示板があるんですが、そこにエルトン・ジョンの文字を見て「え???夢???」って思いましたからね。
ネイサンのロケットマンをきっかけに映画を見て、エルトン・ジョンの曲にハマりまくった私は毎日のように通勤しながら曲を聴き、頭の中でネイサンを踊らせていました。
あの曲で滑ったらどんな感じかなー、この曲ならこんな振り付けかなー……みたいな妄想を広げてたわけですよ。
混乱しながらリンクを見てると「Saturday Night Alright For Fighting」とともに高志郎くんオンステージが始まりました。
ウワーーーーーーーカッコイイ!!ロックもいけるし無敵かよ!!ってなるくらいヤバい高志郎くん。超ゴキゲンなナンバーで超輝いてるーーー!!その後に知子ちゃんが出てきてウワワワ!!サトコチャンサトコチャン!!!腹筋カッコイイ!!!ンンン一緒に踊ってる!!!!カワイイ!!カッコイイ!!ステキ!!!!
ジェットコースターみたいな感情です。別に落っこちてはいないからずっと高いところを猛スピードで走ってるみたいなジェットコースター。やばい。高所恐怖症なのに。楽しい。
知子ちゃんの股下を滑って潜り抜ける高志郎くんの構図面白すぎんだよなあ。 逆じゃないからこそ良いよね! 最終日失敗しちゃったのもご愛嬌ってことで!
♪Saturday!Saturday! に合わせてリフトで踊るチョックさんとシメカ様大好きポイント1000000点!
続いて「Don’t Let The Sun Go Down On Me」ではヴィンスが中心にしっとりと。
彼の持つ優しく暖かな雰囲気がこの曲にピッタリで素敵です。雄大な滑りに包容力を感じますね。
そして揃いの衣装の選手たちが出てきていよいよ大団円。
あああ……終わりかあ………素敵なショーだったなあ……。
と思ったところでひとり滑り出すネイサン。
そして聞き覚えしかないイントロ!
「I’m Still Standing」。映画ロケットマンエルトン・ジョンがドン底まで落ちて、そこから再びつよく立ち上がる……その象徴となった曲です。
「まだここに立っている、立っているんだ」そう繰り返し歌う声は力強く、何度でも諦めずに前へ進もうとする人間の背中をバシンと叩いて激励するような希望に満ちています。
大好きなこの曲で、大好きなネイサンが滑っている。満面の笑みで踊ってる……。
夢じゃんこんなの!!!最高のやつ!!!夢だけど夢じゃなかったーーーー!!!両手指差しイーグルーーーー最高!!!連続バタフライかっけーーーーー!!!ここでチョクベイと合流するネイサン面白可愛いんだよなあ!最終日ハイタッチしてたの可愛い!!
そんでサビ!!サビのところの表情がめっちゃ楽しそうで好き!!振り付けも曲とマッチしてるし可愛いし好き!!!
もうみんな笑顔で楽しそうすぎるし、見てるこっちも本当に楽しくて、最後までめちゃくちゃ幸せな時間でした。

実を言うと最初は初日のチケットしか取ってなくて、「言うても高額だしな……1日しっかり楽しめばいいよね」とか思ってたんですけど、初日が終わってからリピーターズチケットの案内もあって、規制退場が終わったらソッコーで売り場に行きましたよ。ええ。
こんなん絶対最終日も見たいに決まってましたからね。
たぶん同じ気持ちの人も多かったと思うんです。チケット売り場すごい列だったから。
私は躊躇わずにアリーナのチケットを買いました。いいんです。金なんてかかっても。この為に働いてるし。趣味こそ命。幸せな体験ができるんだから実質無料なんですよね!
ということで、初日と最終日の2日間。悔いなく楽しんできました。
SOIは初めてだったんですが、各選手の演技も群舞も、本当にどれも質が高くて素晴らしかったです。

誰にとっても特別で大変なシーズンの後に、こんな素敵なショーを見せてもらえたのは、本当にありがたいことだなあと思います。
来シーズンに向けて気持ちを新たにする選手たち、競技生活に別れを告げて新たなスタートを切るスケーターたち、そして人生を決める分かれ道の前に立っているスケーター。
それぞれが抱く想いは違っていても、同じ氷上でみんなが溌剌とした滑りを見せてくれました。
そんな今ここに立っているスケーターたちに感謝の気持ちを持ちながら、彼らの現在をしっかりと目に焼き付け、これから先の未来を熱く、そして暖かく見守っていきたいと思います。